著作権について知りたい

学校教育では、論文、小説、音楽、絵画、写真、映画、コンピュータ・プログラム等様々なものが教材として使用されますが、その多くは著作権法により保護を受ける著作物です。また、著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」(著作権法第2条第1項第1号)ですが、創作的に表現したものといっても、高度の創作性を必要とするものではなく、作成者の個性が何らかの形で現れていれば足りると考えられていますので、プロの作品だけでなく、学生の作成したレポート、絵画等もその多くは著作物と考えられます。
著作物を作成した著作者は、自分の作成した著作物に関して、コピーする権利、上映する権利、インターネットなどで送信する権利など様々な権利を有していますので、他人の著作物を利用する場合は、原則として、著作者の許諾(了解)を得ることが必要となります。しかし、全ての場合に著作者の許諾を得ることが必要になると著作物の公正で円滑な利用を妨げることも考えられるため、一定の条件を満たす場合は例外的に著作者の許諾を得ることなしに著作物を利用することが認められています(これは権利制限と呼ばれています。)。学校教育においては、この権利制限の範囲で著作物を利用することも多いと思われますが、権利制限は様々な条件が付されていますので、著作者の権利を不当に害することがないよう、厳格に運用することが必要です。

どのようなものが著作物かについては[「著作物」とは何を指しますか1 ]を、著作者の権利については[著作者はどのような権利を有していますか2 ]や[著作者人格権や著作権はいつまで保護されるのですか3 ]を参照してください。また、学校教育に特に関係の深い権利制限の概要については[著作権者の許諾なしに授業で著作物を利用できる”権利制限”とは4]を、少し詳しい説明は[授業で使用するためであれば著作物をコピーできると聞いたことがありますが、どこまでできるのですか5 ]、[営利を目的としない場合は、著作者の許諾なしに上映などができると聞いたことがありますが、どのような場合に可能なのでしょうか。また、上映以外の使い方も可能なのでしょうか6 ]を参照してください。なお、サーバ蓄積型のeラーニング用の権利制限はありませんので注意してください([授業のためであれば著作物を公衆送信できるようになったと聞いたことがありますが、どのような場合に公衆送信できるのですか7 ]、[ICT活用教育では対面授業の場合とは異なる著作権上の問題が発生するのですか8 ]を参照してください)。また、権利制限に該当しない場合は、権利者の許諾を得て利用することになりますが、この点については[どのような場合に著作物の利用の許諾を得る必要があるのでしょう9 ]を参照してください。

Q&A
1. 「著作物」とは何を指しますか
2. 著作者はどのような権利を有していますか
3. 著作者人格権や著作権はいつまで保護されるのですか
4. 著作権者の許諾なしに授業で著作物を利用できる”権利制限”とは
5. 授業で使用するためであれば著作物をコピーできると聞いたことがありますが、どこまでできるのですか
6. 営利を目的としない場合は、著作者の許諾なしに上映などができると聞いたことがありますが、どのような場合に可能なのでしょうか。また、上映以外の使い方も可能なのでしょうか
7. 授業のためであれば著作物を公衆送信できるようになったと聞いたことがありますが、どのような場合に公衆送信できるのですか
8. ICT活用教育では対面授業の場合とは異なる著作権上の問題が発生するのですか
9. どのような場合に著作物の利用の許諾を得る必要があるのでしょう
最終更新日 : 2012年3月1日