Q. 学生に質問しても、答えが無かったり、頓珍漢な答えが返ってきたりしますが、どのようにしたらよいですか

概要

授業設計に基づいて、学生に質問をしても、学生から答えが無かったり、頓珍漢な答えが返ってきたりする場合がありますが、そのようにならないための方法について考えてみます。

事例

教員は授業を設計し、学生が積極的に参加するようにします(「どのように授業を設計したら、学生が積極的に参加するようになるのでしょうか」「どのようにしたら学生が居眠りをせずに授業に参加してくれるのでしょうか」参照)。

そして、授業設計に従って、学生に質問を行うことも良くします。しかし、そのような場合に、学生から、そもそも答えが無かったり(無言だったり)、「分かりません」という答えだったり、質問の内容に対して全く頓珍漢な答えが返ってきたりすることも良くあることです。
このような事態に陥ってしまう原因を考えてみましょう。単に、学生に、質問に答えるだけの知識や技術が無かったから、と言えるのでしょうか。

まず、授業の中で、学生に質問を行うことは、一見単純な教育方法ですが、本来高度な方法であると自覚することが必要です。心理学的にも、質問応答には、たいへん複雑な心理過程があることは明らかになっています。
質問の内容がきちんと学生に伝わるような言葉遣いをする必要があります。ちょっとした言葉遣いで、まったく誤解されてしまう、ということは良く経験することです。そのような質問を学生にしていないか、振り返ることが必要でしょう。

学生が質問の内容を理解しても、教員が想定している模範解答をするとは限りません。学生は、その質問にきちんと答えるための知識や技術、時には興味や関心を持っており、教員の質問の意図に納得することも必要になります。
授業を重ねるに従い、教員は学生一人一人について深く知ることができるようになってきます。そこで、最初の内は、誰でも答えることのできるやさしい質問をしていき、授業を重ねるにしたがい、質問の内容とともに、どの学生に当該の質問を行うかも合わせて、授業設計の段階で検討していくと良いでしょう。

なお、学生が私語をしているようにみえる場合でも、学生に良く聞いてみると、教員の講義の内容に関連して学生同士で議論していることもありますので、注意が必要です。そのような「私語」を積極的に利用して、教室全体で議論できるようになれば良いでしょう。

(高橋 秀明)

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最終更新日 : 2012年3月1日