概要
Wikiは多対多の非同期コミュニケーションツールです。Wikiはあるひとつのドキュメントを、複数の人が共同で作成・編集するような機能を持っています。従って、何かを調べた結果をまとめあげて行くような用途に向いています。また、編集過程の記録や、編集した内容に関する議論を残すこともできます。応用例としてインターネット百科事典のWikipediaが有名です。
図1 Wikipediaの画面例(左: 内容表示, 右: 変更履歴)
調べ学習
Wikiのもっとも典型的な利用方法は調べ学習でしょう。Wikipediaに見られるように、あるトピックスに関する情報や知識を複数の学習者が持ちより、一つの体系的なドキュメントにまとめ挙げて行きます。このような過程を通じて、学習者は、グループで議論し、作業を分担しながらひとつの成果をまとめあげていくプロセスを体験します。
また、不足する情報をどうやって入手するか、バラバラの情報から論理的に筋道の通った結論をどのように導くか、といった経験をすることができます。編集の履歴や議論の経過も記録として残すことができますので、できあがった成果だけでなく、学習の過程を振り返るためにもWikiは有効に利用することができます。
(仲林 清)