概要
チャットやTV会議は多対多の同期コミュニケーションツールです。複数の人が同時にシステムにログインして意見を交換することができます。チャットは、文字ベースで複数の人が自分の意見を書き込み、他の人の意見を閲覧することができます。チャットは同期型のツールですので、過去の他の人の意見にコメントするような機能は無く、新たな意見をどんどん書き込んでいくことで議論が進められます。
最近では、音声・画像を用いてお互いの顔を見ながら議論ができるTV会議システムも安価に利用できるようになっています。TV会議システムでは、チャットやワープロの共有なども可能ですので、議論の筋道を記録しておくことができます。
オンラインゼミ
チャットやTV会議を用いて遠隔の参加者を交えたゼミ形式の授業を実施することができます。複数の会場を結び、それぞれに複数の学生が参加する形式も考えられますし、個人個人の学生が遠隔から参加する形態も考えられます。学生同士のディスカッションも考えられますし、先生がTV会議で講義を行った後、質疑応答を行うこともできます。参加者が多い場合は、TV会議で音声・画像による議論を行い、当時にチャットを併用して複数の議論の流れを形成することもできます。
授業中の利用
通常の教室型の授業でチャットを活用することもできます。対面型の議論を行う場合、学生が発言をためらってなかなか意見が出ずに議論が活性化しない場合があります。このようなとき、各自の思っていることを、まずチャットに自由に書き込んでもらい、ある程度様々な意見が出たところで、教員が意見をさらに深掘りするよう質問を投げかけたり、複数の意見を集約したりといったファシリテーションを行っていきます。
教員が行っている講義に対して、チャットで学生が質問や意見を書き込んでいき、後で、これらの質問や意見をもとに議論を行う、といった利用法も考えられます。他の人が思っている質問や意見をお互いが前もって知ることができるので、効率的に議論を行うことが可能になります。
(仲林 清)