概要
デジタル学習コンテンツには、様々な種類があります。ファイル形式、形態、粒度による視点からの分類を紹介します。
ファイル形式による分類
1.ビデオコンテンツ:
講義や講演を撮影した映像を中心としたコンテンツです。映像のみを配信するものや、使用したスライド(PowerPointファイルなど)を映像に同期させて表示するものがあります。
2.オーディオコンテンツ:
音声のみのコンテンツです。音声のみでは理解が難しい内容の場合、Webページ・PDFファイル・印刷物などの補助教材とともに利用します。ビデオコンテンツのように、スライドと同期させる例は少ないようです。
3.テキスト・図表ベースのコンテンツ:
いわゆるWebページで、学習者に読ませるコンテンツです。デジタル化された教科書と考えることもできます。
4.Flashなどで作り込んだコンテンツ:
FlashやJavaアプレットを用いて作られたコンテンツです。プログラムファイルをダウンロードし、学習者のパソコン上で実行するコンテンツもあります。自由度が高い反面、制作に専門知識が要求され、コストも高くなります。学習者の操作内容によってコンテンツの動作を変えるなど、インタラクティブ性を持ったコンテンツを作ることができます。
形態による分類
コンテンツの形態に関して、よく耳にするものを2つ紹介します。
1.ポッドキャスト・ビデオポッドキャスト:
音声のみや映像のみのコンテンツ(オーディオファイル・ビデオファイル)を配信する形態の一つです。学習者は、専用アプリケーションを使って、コンテンツのリストを入手し、視聴したいファイルをダウンロードします。再生ソフトを使ってパソコン上で視聴できるほか、ファイルを携帯プレイヤーに転送し、時間や場所にとらわれずに視聴することもできます。
2.SCORMコンテンツ:
SCORMは、コンテンツとLMSの通信方式を統一することにより、同一のコンテンツを様々なLMSで動作させるためのパッケージング規格です。ビデオファイル・オーディオファイル・Webページなどをコンテンツの一部とすることもできますが、SCORMの多くの機能を利用するには、専用に作り込む必要があります。
粒度による分類
コンテンツの「大きさ」による分類です。
1.素材:
1枚1枚の写真や図表、収録したままのビデオやオーディオファイルのことです。授業中に提示するなどして利用できますが、上位の粒度のコンテンツを制作するための材料ともなります。
2.教材:
「教材」というラベルは適切でないかもしれませんが、素材を組み合わせて作る、学習目標をもったコンテンツです。通常、学習コンテンツというと、この粒度が想定されるでしょう。Webページやビデオ教材等、利用や流通の中心になります。
3.コース:
複数の教材を組み合わせ、大きなテーマを学習できるように設計されたコンテンツです。大学の授業で言えば、科目1つに該当します。オープンコースウェアでは、通常、コース単位でコンテンツが提供されています。
(森本 容介)