概要
授業でICT機器を使うということは、対機械におけるセルフ・マネージメントと対人関係におけるセルフ・マネージメントとが交差する事態になっています。ここでは、そのような事態への対処を考えます。
理論
授業で、ICT機器を利用したいと思っていても、うまく動くか否か心配なので、利用することをためらっているということが多々あります。特に、授業でICT機器を利用してみてうまく動かなかったという体験を持ってしまった場合には、そもそもICT機器は教育効果は無い、と思いこんでしまうことも多々あります。このような事態への対処も、セルフ・マネージメントとして考えることができます。
ICT機器を利用するためには、当然のことながら、その利用方法を熟知している必要があります。一方で、大学によっては、ICT機器を利用するために専属のスタッフが対応する場合もあります。そこで、授業においてICT機器を利用するということは、対機械におけるセルフ・マネージメントと対人関係におけるセルフ・マネージメントとが交差する事態になっているわけです。
教員は、ICT機器の使い方や教育効果を熟知して、授業で利用したいと思っているとは限りません。そこで、まずは、セルフ・モニタリングの一環として、本当に当該のICT機器を自分の授業で利用する必要があるのか、自分で操作できるのか考える必要があります。
自分で操作できないのであれば、操作方法を練習し熟知しておく必要がありますし、スタッフのサポートを得られるのであればその体制を整える必要があります。また、授業の本番の前に、当該の機器を利用したリハーサルを行うことも必要になります。
授業以外で、講演会や学会での発表でICT機器を利用したい、ということも多々あります。この場合にも、同様です。
なお、ICT機器を利用している最中に急に動かないなど、緊急時の対応については(「授業で、ICT機器が急に動かなくなりましたが、どのように対処するべきですか」)を参照にしてください。
(高橋 秀明)