大学の授業を客観的に評価することは非常に困難です。さまざまな指標が考えられますし、そもそも学科が異なれば授業の評価方法も異なります。しかし、Ken Bain著「What the Best College Teachers Do」(Harvard University Press, 2004)によれば、大学の授業を評価する二つの基本的な基準があります。
1つ目は、大部分の学生が授業に満足していると同時に、学生が自発的、継続的に勉強する意欲を引き起こしたかどうかです。多くの事柄を覚えさせたり、過大な宿題を課したりして一時的に成績を上げたとしても、勉学の意欲が減退してしまっては逆効果です。学生の意欲を高め、知的・精神的に成長させることが重要です。
2つ目は、学生が授業を通して最終的に身に付けた能力です。もちろん、その授業内容を身に付けさせる必要があります。しかし、より重要なことは、学生の批判的思考能力、現実解決能力、創造性、探求心、倫理観などを養成し、幅広く深い知識をベースに、新しい知識を作り出す能力を培わせることです。
(苑 復傑)
参考文献
- Ken Bain (2004). “What the Best College Teachers Do”, Harvard University Press.