概要
授業に使うビジュアルとして6つのタイプがあります。ここでは、その6つのタイプのビジュアルを簡単に紹介します。
フリップチャート
大きな白紙を束ねたフリップチャートは、大変低価格で使いやすいもので、企業の研修や会議ではよくみられるものですが、大学の授業ではあまり見かけることがありません。しかしながら、利点としては、持ち運びが可能ですし、書いたフリップチャートはそのまま記録として残すことができます。また、自ら手で書かなければならないため、ダイナミックな印象を与えますし、また、学生の意見を聞きながら書く、ということもできます。しかしながら、サイズが限られているため、大教室で使用するのは避けましょう。また、手書きのため、自分の手書きに自信のない方は、使わないほうがよいでしょう。
スライド
画質がよいですし、プロフェッショナルなイメージがありますし、大きなスクリーンにプロジェクトすれば、大教室にも適しています。短所としては、フォーマルになりすぎることと、融通が利かないこと、スライドを見せるために部屋を暗くしなければならないこと、教師が一方的に見せる形になるので、学生とのインタラクションには適していないこと、アップデートすることが難しいこと、特別な装置を必要とすること、などがあります。
ビデオ・DVD
ビデオは、プロフェッショナルなイメージがありますし、大教室でも、小教室でも適しているといえます。短所としては、スライドと同じように、教師が一方的に見せる形になるので、視聴中のインタラクションは最小限になってしまうこと、プレーヤーという特別な装置を必要とすること、また、長いビデオである場合、事前にどこで始めどこで終えるのかをしっかり定めておかなければいけないこと、などがあります。
OHP
従来の透明のシートに光を通して映し出すものから、実物をカメラで映し出すものまで、多様になってきています。OHPのよいところは大教室でも適しており、簡単にビジュアルが用意できるところです。また、ビジュアルを見せながら学生とインタラクションを図ることも可能ですし、アップデートも簡単です。
パワーポイント等のアプリケーション
プロフェッショナルなイメージがありますし、授業の事前準備を行ってきたことを示すことができます。大教室でも小教室でも適していますし、学生とのディスカッションを盛り込みながら授業を進めていくこともできます。アニメーションを入れることもできますし、アップデートも容易にできます。
短所としては、コンピュータとプロジェクタを必要とすること、ある程度ICTのスキルを要しますし、準備にあたって時間を要します。
実物の紹介
実際に話したい対象を見せることができるのでしたら、それが一番よいです。立体的ですし、多くの場合その分野の教員には入手しやすいものであると思います。視覚のみならず触覚や嗅覚など他の感覚によっても知らせることができます。短所としては、実際に入手したり、教室まで持ってきたりするのが不可能であったり、保存しておく場所を必要としたり、一旦もとの場所から移動させるとその意味を失ってしまったりすることがあることです。
(青木 久美子)