概要
率直に当事者と話し合いましょう。大きな声で明瞭に話す、ネットでシラバスや授業のポイントなどをアップし、資料やレジュメなどを事前に電子媒体で配布することは、一般の学生にとっても有益です。
座席
盲学生にとっては、教員の声が聞きやすければ座席の位置はさほど問題ではありません。
弱視学生にとっては、黒板が見やすい席、出入りがしやすい席、支援機器を利用しやすい席が必要です。一般的には前列の席を希望しますが、人によってニーズは異なるので、本人と率直に話し合うことが大切です。
座席指定
指定した座席に、「○○曜日○○時限は、この席を使用しますので、空けておいてください」という内容の紙を貼る場合もあります。
講義の声
大教室では、マイクを使用するなど、聞こえよさに配慮することが必要です。
講義室の明るさ
明るすぎ、暗すぎを調節、あるいは座席の位置で調整します。
板書(黒板に書くこと)
- 教員が黒板に書く情報は可能な限り声を出して読んで下さい。「あれ」「これ」と言った指示語の使用を避けて言葉で説明します。
- 矢印や棒で指し示す場合も、見えない学生のために言葉で説明します。
- できるだけ大きく太く鮮明に書きます。
- 黒板の場合は、白または黄色のチョークなどを使い、コントラストを明瞭にして見やすくします。
- ホワイトボードの場合は、ペン先が太く新しいものを使い、見えやすくします。 黒板に書く内容を事前に、あるいは事後にテキストファイルなどで渡すなどの配慮もお願いします。
- 板書はすぐに消さないで下さい。読むのに時間がかかる場合があります。
ビデオ
音声だけではわからないビデオやパワーポイントなどは、事前に内容を送付することや、横で内容を説明する人をつけたりして、サポートします。
視聴覚LL教室
当初に使用方法をしっかりと丁寧に説明する必要があります。学生が自分で操作することに慣れさせることが大切です。この場合、マウス操作や、グラフィック表示を多様している場合、なんらかの工夫が必要です。
クラス内のコミュニケーションをよくする
教員が、授業の始めに、支援や配慮を必要とする学生がクラスにいることを、さりげなくクラスメートに紹介できるといいですね。出席カードへの記入、授業中のちょっとした声かけ、宿題などの確認など、本人が周囲の学生と話しやすい雰囲気を作るようにしましょう。障害学生の存在が、クラスに豊かなコミュニケーションを生み出す契機になることがよくあります。
質問や問い合わせにオープンな環境作り
授業中にわからなかったことを、授業のあとに、学生が教員に質問やメールで問い合わせできる環境を作りましょう。
機器の持ち込み
講義の録音のための機器、拡大読書器、電気スタンド、ノートパソコンなど、サポート機器が必要な場合があります。
電子メールの活用: 授業中に書かせるコメントなど、授業後に電子メールで送信させるケースも増えています。
(広瀬 洋子)