概要
ここでは、日本語の書き言葉のうち、レポートや答案、論文などに特有な表現に関する注意点を記します。
レポートや論文などに特有な表現
書き言葉に関する一般的な注意点の他に、レポートや論文などに特有な表現についても適切な日本語が使えていない場合があります。
以下のような点に注意してください1。
表記については、次のような点があげられます。
- 漢字は常用漢字表の範囲で使うようにすること。
- 漢字で書く語とひらがなで書く語があること。
- 送り仮名の付け方は内閣告示を基準にすること。
- カタカナ表記での長音の扱い方。
語彙については、次のような点があります。
- 口語的表現と文語的表現を使い分けること。
- 原則として俗語や流行語は一般語に改めること。
- 「~的」「~性」「~化」「~上」などは注意して用いること。
- 「場合」と「とき」を使い分けること。
- 略語は一般に受け入れられているものだけを使うこと。
- 想定読者が知らないと思われる用語については定義や解説をつけること。
- 「以上」「以下」「以内」「以外」「以前」「以後」「以降」「以来」は基準の数値を含むこと。
また、文については次のような事柄がポイントとなります。
- 「と」と「または」をひとつの文の中に混在させない。
- 二重否定を避ける。
- 各文の主題を冒頭に書くようにする。
- 事実と意見を区別する。
- 同じ語句を主語と述語で繰り返さない。
- 同じ意味の修飾表現を重ねない。
- 不要な接続詞を省く。
- 主語と述語を対応させ、近くに位置させる。
- 修飾語は被修飾語の近くに置く。
- 長い修飾語から順に記述する。
- 並列な情報は、一文で書かずに箇条書きに分ける。
- 一文に述語が二つ以上あるときは読点を打つ。
- 一つの文には一つの内容だけを書く。
(黒須 正明)
参照文献
- 黒須 留学生の論文・レポート執筆のための日本語学習教材 総合研究大学院大学