Q. オンラインコミュニケーションツールとしてどのようなものがありますか

概要

ICTを活用した教育においてオンラインコミュニケーションツールは大きな力を発揮します。これらのツールを用いると、同期型や非同期型、一対一や一対多、多対多などの様々な形態のコミュニケーションを行うことができます。個々のツールの活用方法については他の項目で述べることとし、ここではどのようなオンラインコミュニケーションツールがあるか紹介します。

携帯電話

携帯電話は正確にはオンラインコミュニケーションツールではなく、パソコンと同じ端末機器ですが、ここで紹介しておきます。携帯電話の最大の特徴はなんといっても持ち運びが簡単であることです。また、電話をかける以外に、メールやWebブラウザなどが利用できます。従って、携帯電話は、授業中だけでなく、様々な場所・時間で、以下に挙げるオンラインコミュニケーションツールとして使用することが可能となります。

メール

メールは最も基本的なコミュニケーションツールです。個人個人の保有するメールボックスにはfoo@xyz.ac.jpのようなメールアドレスが付与されており、他の人はメールアドレスを指定してこのメールボックスにメールを送ります。メールボックスの保有者は届いたメールをいつでも読むことができます。メールの送受信には、パソコンに付属のメールツールのほか、ブラウザ、携帯電話などを使うことができます。
メールは基本的に一対一の非同期コミュニケーションツールですが、一通のメールを複数のメールアドレスに同時に送信したり、次に述べるメーリングリストを使って一対多のコミュニケーションを行うことができます。

メーリングリスト

メーリングリストは複数の人のメールアドレスをひとつのメールアドレスにまとめたものです。メーリングリストのメールアドレスに送られたメールは、そのメーリングリストに含まれている複数の人のメールアドレスに送られます。
つまり、メールを送る側からすると個人個人のメールアドレスをいちいち指定しなくても、複数の人に同時にメールを送ることができるわけです。これによって一対多の非同期コミュニケーションを行うことができます。

掲示板

掲示板は、複数の人がお互いに意見のやりとりなどを行うための、多対多の非同期コミュニケーションツールです。Webブラウザなどを用いて、他の人の意見を閲覧したり、自分の意見を書き込んだりします。ある人の意見に対して、別の人がコメントを付けて行くことで議論が進んでいきます。このような一連のやりとりをスレッドと呼びます。掲示板では、スレッドによって、誰が誰の意見に対してコメントを付けたのかがわかりやすく表示されるようになっています。

チャット・TV会議

チャットは多対多の同期コミュニケーションツールです。掲示板と同様、複数の人が自分の意見を書き込み、他の人の意見を閲覧することができます。チャットは同期型のツールですので、過去の他の人の意見にコメントするような機能は無く、新たな意見をどんどん書き込んでいくことで議論が進められます。
また、最近では、音声・画像を用いてお互いの顔を見ながら議論ができるTV会議システムも安価に利用できるようになっています。TV会議システムでは、チャットやワープロの共有なども可能ですので、議論の筋道を記録しておくことができます。

Wiki

Wikiはやはり多対多の非同期コミュニケーションツールです。掲示板と異なり、Wikiはあるひとつのドキュメントを、複数の人が共同で作成・編集するような機能を提供します。従って、議論よりも何かを調べた結果をまとめあげて行くような用途に向いています。

(仲林 清)

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最終更新日 : 2012年4月28日