概要
高性能のビデオカメラが普及するにつれて、誰もが一定水準以上の品質の映像を撮影することが可能になってきました。教材で使用する映像を撮影するビデオカメラ、三脚、マイクロフォン、照明などの機材について、基礎的な知識をご紹介します。
ビデオカメラ
高性能のビデオカメラが普及するにつれて、どのようなビデオカメラを使っても一定水準以上の品質の映像を撮影することができるようになってきました。DVカメラ、HD(ハイビジョン)カメラなど多様な選択肢がありますが、オリジナルの映像はできるだけ高い精細度で撮影することを心がけましょう。
また、設定によって複数の画質を選択できるカメラの場合は、記録容量の許す限り、高い精細度の設定で撮影し、編集段階で再生環境に合わせて画質を変更することをお勧めします。
三脚
長時間注視する教材用映像では、画面のゆれ・ぶれや、水平のずれは、学習対象への集中を削ぎ、視聴にともなう疲労を増大させます。安定した映像を撮影するために、必ず三脚を用意しましょう。
三脚は、小さくて軽い方が持ち運びは楽ですが、安定したカメラの動き(カメラワーク)のためには、ある程度の大きさと重さをそなえたしっかりしたものの方が効果的です。
カメラを動かすための雲台(うんだい)は、スムーズに動くものであることが重要です。また、カメラが水平に設置できているかどうかを確認するために、水準器の付いている三脚を選びましょう。
マイクロフォン
ビデオカメラ内蔵のマイクロフォンは、対象から1~2m離れると十分な音質での収録が難しいものが少なくありません。また、「無指向性」といって、カメラの正面以外で発生する音も収録できるものが多く、目的とする音声以外の音が大きな音量で収録されてしまうこともあります。これを避けるためには、「単一指向性」「超指向性」のマイクロフォンを別に用意して、カメラにつないで使用することが有効です。
屋外での収録では、風の音が雑音として記録されてしまいがちなので、これをさえぎるためのウィンドスクリーン(風防)をつける必要がある場合もあります。録音が適切にできているかどうかを確認するために、ヘッドフォンやイヤフォンも用意しましょう。
照明
自然の光源を背にして撮影すれば、必ずしも専用の照明機材を用意しなくても適切な明るさの映像を撮影することが可能です。照明機材を用意する場合は、2台または3台のビデオ撮影用スタンド照明を使用するとよいでしょう。蛍光灯照明は画面にちらつき(フリッカー)を発生させるものがありますので、よく確認してから使いましょう。
その他
記録媒体としてテープを使うビデオカメラでは、できるだけ上等のテープを使うことをお勧めします。ハードディスクに記録するビデオカメラでは、データをバックアップするためのメディア(外付けハードディスク)も準備しておきましょう。撮影に際しては、バッテリーは十分な余裕を持って用意するとともに、レンズの汚れをとるためのクリーニングキットもあると便利です。
(仁科 エミ)
参照文献
- Davis, B. G. (1993). Tools for Teaching. Jossey-Bass Publishers.
- McMillan, J.H., & Forsyth,D.R. (1991). What theories of motivation say about why learners learn. In R.J. Menges & M.D. Svinicki (eds.) College Teaching: From Theory to Practice. New Directions for Teaching and Learning, no. 45. Jossey-Bass Publishers.