Q. テキスト・図表ベースのコンテンツはどのように作ればいいですか

概要

授業中に提示するような1枚1枚の写真や図表、およびそれらを組み合わせて作るWebページなどが、テキスト・図表ベースのコンテンツに該当します。これらは古くからあり、制作のノウハウも豊富です。ここでは、画像の作り方とWebページの作り方の代表例を紹介します。

画像ファイルの制作方法

写真は、デジタルカメラでの撮影や、スキャナからの読み込みにより素材を準備します。パソコンに取り込んだ写真はそのまま用いることもできますが、大きさを変えたい場合、一部を切り抜きたい場合、色合いを修正したい場合等はグラフィックソフトで編集を行います。画像編集により、撮影に失敗した写真もある程度補正できます。しかし、十分な知識を持っていないと、却って不自然な写真となってしまうこともあります。撮影の段階でできるだけ高品質に撮っておくことが重要です。
プロが撮るような美しい写真を撮影するためには、高級なカメラや、写真や撮影方法に関する高度な知識が必要になります。しかし、学習コンテンツとしての写真は、ぶれないように脇をしめる、逆光に注意する等の基本的なことに注意しておけば十分なことがほとんどです。多くのデジタルカメラには、「シーンモード」のような機能が用意されています。「人物」や「夜景」等のモードを選択すると、そのシーンに適した条件で撮影することができます。まずは、この機能を使いこなし、徐々に知識を増やしていくとよいでしょう。
図表は、プレゼンテーションソフトや表計算ソフトを用いれば簡単に制作できます。図や簡単な表であれば、プレゼンテーションソフトで描き、画像のファイル形式(JPEGやPNGなど)で保存します。トリミング(不要領域の削除)などのために、グラフィックソフトで加工が必要なことがあります。
グラフの制作には、表計算ソフトが便利です。ただし、表計算ソフトにはグラフを画像として保存する簡単な方法が用意されておらず、工夫が必要になることがあります。図表は、ここで紹介した方法ではなく、グラフィックソフトで直接制作することもできます。このほか、有償やフリーの様々なソフトウェアがありますので、自分にあった方法・ソフトウェアを探してみてください。

Webページの制作方法

Webページは、ホームページ作成ソフトなどを用いて制作します。プロフェッショナル向けや初心者向けといった違いはあるようですが、テンプレートが用意されており、コンテンツの内容記述に専念できるようになっています。最近は、CMS(Content Management System)と呼ばれるシステム上で、簡単にコンテンツを制作できるようになりました。また、Moodleなどのeラーニングシステムを用いると、テストなどを容易に組み込むことができます。ただし、これらのシステム自体の設置・運用には、相応の専門知識が要求されます。

課題

比較的扱いやすい形式の学習コンテンツですが、組織的な取り組みは多くないようです。学習効果を上げるためには、コンテンツ自体の質もさることながら、利用方法の工夫や、学習意欲を高めるための仕組み作りが重要となります。また、学習コンテンツを対面授業以外で利用する場合は、著作権に関するいっそうの注意が必要になります。
詳しくは「著作権者の許諾なしに授業で著作物を利用できる”権利制限”とは」をご覧ください。

(森本 容介)

最終更新日 : 2010年4月1日