Q. 授業に持って行くべき資料を忘れてしまったが、どうしたらよいですか

概要

授業に持って行くべき資料を忘れるというのも、セルフ・マネージメントと危機管理の考え方である程度は対処できます。また、日頃から持って行くべきものを忘れないようにする準備も必要でしょう。

事例

まず、授業にどのようなものを持って行くか、ということも展望的記憶です(「授業の準備が完璧にできないと心配になりますが、どうしたらよいですか」参照)。このような場合の外的な手段としては、チェックリストが多く使われます。あらかじめ、授業に持って行くもののリストを作成しておき、出発前に、そのリストと持ち物を比較して忘れ物が無いか確認する、ということです。日常的に、このようにして忘れ物をしないように気をつけておきましょう。

それでも、授業直前に持って行くべき資料を忘れてしまったことに気づく、ということがあり、予期しないことや予想しないことですから、通常の心理・行動・感情を制御することが困難になります。そのような時には、まずセルフ・モニタリングして、授業で利用できるその他の資料を持っていないか、その資料なしでも授業を進めることはできないか、授業の予定を変更することは可能か、などを検討して、その授業の進め方を決めなければなりません。そして、授業においては、学生に資料を忘れた旨を話し、授業の進め方を変更した方が誠意があると見なされます。

具体的には、前回の授業の復習ということにして、前回の授業が講義中心であったら、今回は学生間でのディスカッションによって進める、というように、授業内容は同じでも、授業方法を変えて復習する、ということができます。
一方で、このような危機や緊急時に備えるためには、平常時からの準備が大切です。つまり、常に、最悪のことを考えて対処なり準備をしておく、ということを心がけておくことが必要です。
たとえば、授業で使用する資料はその写しを常に携帯しておく、教室がインターネット環境下にあれば資料をインターネット上にアップしておいて授業中に参照できるようにしておく、というようにバックアップを整えておくことで、ある程度の対処は可能になります。
あるいは、リスクの分散という考え方を応用して、授業に必要な資料は、複数の学生に用意させておく、ということも可能です。たとえば、授業で使用する資料は、あらかじめ配布しておくとか、学生にプレゼンテーションをさせるとか、対処方法はありえます。リスクの分散も人に対してだけでなく、環境やものに対しても行うことができます。たとえば、授業で使う教室に授業で使う資料を備えておくということです。上で資料をインターネット上にアップしておく例を紹介しましたが、これも、リスクの分散の事例として捉えることができます。

(高橋 秀明)

最終更新日 : 2010年4月1日