概要
学習科学理論によると、学生はただ教師から知識を伝達されるのではなく、教えられた知識を自分の自らの経験にあてはめて考え、自分の言葉で説明し、内省することによって初めて深い学びに到達するといわれています。学びに対して学生に意欲を持たせるには、自分で考える機会・他の人と話し合う機会を十分に与える必要があります。学習に対する意欲はもちろん個人差がありますが、授業において学生が意欲を持って取り組むようにするには以下のテクニックが考えられます。
カメラワークは、フィックスが基本
カメラワークの基本は、微動だにしないフィックス(固定)ショットです。そのためには三脚が必須になります。
人物(講師)をとらえる代表的なフィックスショットには次のような画面サイズがあります。講師を撮影するときは、多くの場合、バストショットを基本にします。
- フルショット:全身を撮影する
- ウエストショット:腰から上を撮影する
- バストショット:胸から上を撮影する(講師撮影の基本サイズ)
- アップショット:首から上を撮影する
場面を撮影する代表的なフィックスショットには、以下のような画面サイズがあります。目的にあわせて、複数サイズのフィックスショットを撮影しておくと、編集段階での自由度が上がります。
- ロングショット:遠景
- ミディアムショット:中景
- アップショット:近景
ズームインとズームアウト
カメラのズーム機能を使うと、カメラ本体を動かさなくても、対象に接近していく<ズームイン>、対象から遠ざかる<ズームアウト>ショットが撮影できます。ズームインは、主題への接近・凝視、ズームアウトは主題と環境との関連付けを促します。
ズームイン・ズームアウトは、カメラについている「T:テレ」「W:ワイド」ボタンを手動で、またはリモコンで操作して行います。ズームイン、ズームアウトの前後には必ず、数秒程度のフィックスショットを撮影します。また、ズームイン・アウトを途中で止めたり、途中で速度を変えるのはやめましょう。
パンショットとティルトショット
右から左、左から右、つまり水平方向にカメラを動かして撮影するショットを、<パン二ングショット(パンショット)>といいます。対象の広がり、大きさ、多さ、位置関係、次に映るものへの期待などを表します。まずフィックスショットを数秒撮影し、ゆっくりなめらかに一定方向にカメラを動かします。最後にフィックスショットを数秒撮影します。
上から下、下から上、つまり水平方向のパン二ングショットを、<ティルトショット>といいます。対象の高さ、位置関係、前後の比較などを表現します。
初心者の場合、いずれもカメラの動きが早くなりがちです。ゆっくりと落ち着いたカメラワークを心がけましょう。
カメラワークの練習
なめらかなズームイン・アウト、パン、ティルトショットを撮影するためには、なめらかに動く雲台を搭載した三脚とともに、練習が不可欠です。
(仁科 エミ)