Q. 授業の前に上がってしまいますが、どうしたらよいですか

概要

授業や講演の前に上がってしまったり緊張してしまったりすることは多々あります。ここでは、行動分析学の考え方に従って、上がることへの対処について考えてみます。また、イメージトレーニングについても紹介します。

事例

ここでは、上がることへの対処の事例を紹介します。まず、セルフ・モニタリングしてみましょう。つまり、教員自身が、どのような条件の時に上がりやすいか?、どのように条件が変わると上がらない状態になれるのか?といったことを振り返ってみましょう。もしも授業の準備不足のために上がってしまうとしたら、準備を万全にすることが必要です(「授業の準備が完璧にできないと心配になりますが、どうしたらよいですか」参照)。

一方で、たとえば大教室で初めて授業をするというのは、たいへん緊張するものです。そこで、行動分析の考え方を応用した系統的脱感作と言われる方法での対処を紹介してみます。その場所が初めての場所であれば、授業の前に場所を確認して見ましょう。もしも他の教員が授業していればこっそりと参観してみましょう。次に、その場所が空いている時に教壇に立ってリハーサルをしてみましょう。このように、本番での授業にいきなり望むのではなく、上がらないで済む類似の状況で同じ行動をしてみることにより、徐々に本番の授業に慣れるようにしていくことができます。最初の授業では緊張していても、何度か繰り返すに従って、緊張感が少なくなっていくことは、多くの教員が体験していることと思います。

スポーツのトレーニング法の一つにイメージトレーニングと呼ばれるものがあります。これを授業場面に応用することも有効であると考えられます。上で書いたように実地で徐々に慣れることが困難な状況においては、自分自身の授業の進め方を繰り返しイメージして、本番に備えることができると思われます。

限界

一方で、適度な緊張状態の方が、パフォーマンスは良い、ということもあります。授業は生ものですので、常に緊張状態を維持して臨む、ということも大事なことと思われます。

(高橋 秀明)

最終更新日 : 2010年4月1日