Q. 教材用映像を編集するときの注意点は

概要

教材用映像は、エンタテインメントを目的とする映像とは目的や利用方法が異なります。映像を編集するときはそうした教材用映像の特殊性を意識することが必要です。複雑な映像加工が必要な場合や高度な演出を施す必要がある場合には、専門の制作会社に委託するのがよいでしょう。

教材用映像の特徴

教材用の映像音響は、テレビ番組や映像、ホームビデオなどと異なり、学習内容を伝達するために何度も繰り返して視聴される、という特徴があります。映像は繰り返して視聴されるにつれて、映像の瑕疵が目に付きやすくなり、教材以外の情報が煩わしい印象を生じがちです。また、集中して視聴されるため、画質の悪い映像はストレスを与えがちです。そのため教材用映像の編集では、学習内容に集中を促すシンプルな編集と良好な映像音響品質の保持が重要になります。

教材用映像音響編集のフォーマット

映像音響を編集する段階で、映像の規格(フォーマット)を変更することができます。撮影した映像と同等の規格で編集すると、画質・音質の劣化を防ぐことができます。ただし、撮影した映像と同等の規格で再生できないことがあらかじめわかっている場合や、パソコンの処理速度やハードディスク容量からみて大きな容量のファイルを操作するのが難しい場合は、映像のフォーマットを変換して、より操作性のよい小さいファイルサイズに変換して作業をしたほうがよい場合もあります。

映像編集の「一致の原則」

違和感なく映像と映像とをつなぐために、<一致の原則>を意識しましょう。

目線の一致:
映像の一番小さい単位を<カット>と呼びます。あるカットで右を向いていた人物が、次のカットで理由なく左向きに映っていると、不自然な印象を与えます。人物の目線(顔の向き)には注意しましょう。

動きの一致:
あるカットで右から左に向かって動いていた物体が、次のカットで左から右向きに動いて映っていると不自然です。

その他の留意点

編集にあたっては、以下の点にも留意しましょう。

エフェクトについて:
反復して視聴される教材用映像では派手なエフェクトを使いすぎることは避けた方が安全です。黒画面へのフェードイン、フェードアウトなどは無難な演出です。

上映環境の配慮:
編集で使うパソコンの画面は、教室のスクリーンやディスプレイよりも小さいものです。上映サイズが大きくなると一般に、最適と感じられる映像の動きは、よりゆっくりになる傾向があることに注意が必要です。

映像の色調の補正や複雑な編集が必要な場合は、予算が許すならば、専門の映像制作会社に委託する方がよい場合もあります。

(仁科 エミ)

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最終更新日 : 2010年4月1日