Q. eラーニングのために作った教材の著作物に関する権利は教員に帰属しますか、それとも大学に帰属しますか

著作物を創作した者を著作者といいます。著作物を創作するという行為は人間の行う行為であり、著作者は自然人(ご質問の場合であれば個々の教員)が著作者となるのが原則ですが、我が国の著作権法(以下「法」という。)では、以下の要件を全て満たす場合は、法人が著作者となることとされています。(法第15条 法人著作あるいは職務著作とよばれています。)

  1. 法人の発意に基づき作成される
  2. 法人の業務に従事する者が作成する
  3. 職務上作成する
  4. 公表するときは法人の著作名義で公表される(プログラムの著作物の場合はこの要件は不要)
  5. 契約や就業規則に従事する者を著作者とする定めがない

このことは、eラーニング用教材の場合も同じですので、上記の要件を全て満たす場合は法人(例えば大学)が著作者となり、上記要件のうちのいずれかを満たしていない場合は、実際に創作した個々の教員が著作者となります。

次に権利の帰属ですが、著作者は、自ら創作した著作物について人格的な権利である著作者人格権と財産的な権利である著作権を有します。そのため、法人著作の場合は法人が、法人著作に該当しない場合は個々の教職員がこれらの権利を有することになります。なお、著作者人格権は著作者の一身に専属し譲渡することができません(法第59条)が、著作権はその全部又は一部を譲渡することができます(法第61条第1項)ので、例え個々の教員が著作者の場合であっても、契約や就業規則等により、著作権を法人に譲渡することは可能です。

なお、法人著作に該当するか否かは、法第15条の要件を満たすか否かにより決まりますが、教材の場合は、法人の発意の有無、作成が教職員の職務にあたるか否か等について疑義が生じることも考えられますので、教材作成前に、権利帰属等について明確にしておくことが望ましいと思われます。

(尾崎 史郎)

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最終更新日 : 2012年3月1日